管理栄養士 飯野先生に聞く「おうちで作るかいご食」のアドバイス
朝食、昼食、夕食の3回に分けて食事をしますが、1回にたくさん食べることが難しいときには「おやつの時間」を作って、おやつの楽しみも持ちながら、一日の必要量を食べるようにしましょう。
- むりはしないで…毎日の食事なので手抜きも必要です。でもここは…と言うポイントだけは押さえましょう。
●食事だけでは不足してしまう栄養素は市販の栄養補助食品(総合栄養食品)を利用して介護の手助けにしましょう。
※総合栄養食品(濃厚流動食品)とはエネルギーやたんぱく質をはじめ微量栄養素などがまとめてとることができる安心できる心強い栄養補助食品です(P18参照)。
●家族と同じ食事をその場でつぶしたり、ミキサーに掛けたりしてミキサーゲルを入れてかき混ぜるだけで、口の中でひとかたまりになり飲み込みやすい食事になります。とても簡単です。
- 食事(食べた)量は確認してください
*個人に合った栄養必要量は身長、体重、年齢、活動量から計算します
- 栄養量と摂取量を確認しましょう
●個人に合った必要量を知っておくことが大切です。
●食品に水分を加えてゲルを作ると、見た目は多いようでも必要量が足りないこともあります。エネルギー、たんぱく質、脂質、糖質に加え、ビタミン、食物繊維、ミネラルも必ず摂るようにしましょう。
●食事の栄養状態、栄養バランスは栄養士さんにお尋ねください。
- 食中毒を防ぐために菌は
1)付けない(付着させない)
2)増やさない(増殖させない)
3)殺す(殺菌する)ことが大事です。
まずは手洗いを確実に行います。石鹸をよく泡立て手を洗い、十分にすすいでから調理を始めましょう。
●ミキサーの刃の裏には食材が残りやすいため、使用したミキサーはすぐに洗浄し、こびりつかせないように注意します。
●消毒に市販のアルコール噴霧も有効です。
- 期限を表示する、過信しない、作りすぎない、必ず確認する
●出来上がった食品はどのように保存していますか?冷蔵庫を過信していませんか? 冷蔵庫に入れたからといって安心とは言えません。調理した食品は2日くらいで食べ切りましょう。また1食分ごと小分けにしておくと安心です。
●保存可能な食材と保存しない食材の区別は明確にします。
●料理と食味の期限は容器に記載し、自己責任で管理しましょう。
管理栄養士 飯野登志子
■プロフィール
聖隷福祉事業団在籍。聖隷三方原病院摂食嚥下チームにて嚥下食の研究に従事。聖隷浜松病院、老人保健施設ベテルホームを経て、現在、系列施設特別養護老人ホーム「さくまの里」勤務。糖尿病療養指導士、病態栄養専門士でもある。『病院食事革命』(女子栄養大学出版)